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この記事は、3月末からTwitterやfacebook、LINE、メールで拡散されている「日赤医療センターのドクター」を名乗る新型コロナの情報のや、「日赤医療センターを名乗る文章の中に書かれたセルフチェックの内容」の信憑性について書かれたものです。
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日赤ドクターを名乗る文章は本物か?【結論:デマです】
私のところにもとうとうラインで回ってきました「日赤医療センターのドクターから」のお願い。
(※改変されたものには「日赤病院」などと記載されているそう)
こちらはデマである可能性が高いと2020年4月4日に都内病院の看護師のさのみさんがTwitterで発表されています。
また、2020年4月10日に日赤医療センターの公式ページでもデマであることが発表されました。
拡散された内容的には、まともそうなことが書かれていますが、病院名を記載したり不安をあおるようなことがかかれています。
実際に大変な中、現場で働いている方のためにも「よかれとおもって何も考えずに拡散」するのはやめましょう。
このメール文書以外にも、新型コロナに対する多くのフェイク情報が流れています。
書かれていたことをすぐにそのまま信じて拡散するのはやめましょう。
一呼吸おいて、ちゃんと調べた後、信憑性があるかどうか。
ソースはどこなのか。実在するものなのか。
一人ひとりが責任をもって発信してください。
何気ない気持ちで拡散した人は、大切な人の為よかれと思ってやったのかもしれません。
しかし、それが拡散されたことによって苦しい思いをしている人がいることは確かです。
もちろんドクターと偽り文章を書いた人も悪いですが、何気ない気持ちで拡散した人も少なからずそこに手を貸してしまっています。
【新型コロナデマ注意】日赤医療センターのドクターから拡散してほしいとお願いされました
facebook・Twitter・LINEで拡散されているこちらの文章はデマです。
日赤医療センターの公式ページでも「当病院の発信したものではない」と明言されています。
下記ドクターからの拡散希望がありましたのでお送りします
情報共有です。
(日赤医療センターのドクターから拡散してほしいとお願いされました)新型コロナウィルスは、感染されても何日も症状が出ない場合があります。
咳と熱の症状が出て、病院に行った時は大体50%は肺が繊維化されていると考えられます。即ち、症状が出て受診すると遅れるケースが多いです。台湾の専門家は、毎朝、自身でチェックできる簡単な診療を提示しています。
深く息を吸って、10秒我慢する。
咳が出たり、息切れる等、すごく不便なことがなければ、肺が繊維症状になってない、即ち、感染されてないということです。(注:新型コロナで悪化すると、肺胞の組織が繊維化して硬くなっていくようです。)現在、既に大変な事態になってるので、毎朝、良い空気を吸いながら、自己診断をしてみてください。
また、日本のお医者さんは、とても有効なアドバイスをしてくれています。皆んな、常に、口と喉を濡らして、絶対に乾燥した状態におかないこと。15分毎に水を一口飲むのが良いそうです。ウィルスが口に入ったとしても、水とか他の飲み物によって、食道から胃に入ってしまえば、胃酸によりウィルスは死んでしまう。水分をよく取らない場合、ウィルスが気管支から肺に侵入してしまうので、とても危ないのです。今、東京の日赤総合病院で働いていますが、この数日でコロナウイルス感染症の患者さんが急増しています。
私の病院のコロナ病床は満床になりました。
重症者もいます。
現場ではすでに医療崩壊のシナリオも想定され始めています。
正直、報道よりも一般のみなさんが思っているよりも、現実は非常に厳しいです。
近い将来、本来助けられるはずの命が助けられなくなる事態になりそうだと感じています。
今まで、どんな人でも少しでも生きたいという思いがあるのなら、全力で命を助ける医療をやってきました。
でも、このまま感染が拡大すれば、「助ける命を選択する医療」にシフトしなければならなくなります。
本当に悲しい。だから、外出を控えてください、人と会わないでください。
感染を食い止める方法はこれしかありません。
生きていくための最低限の外出だけにしてください。このメッセージを出来る限りの家族や友人、周囲にシェアしてください。
時間がもうありません。
よろしくお願いいたします。との事です🙇
日赤医療センターの拡散された文章がフェイクである証拠
日赤医療センター公式ページでの発表【2020年4月10日】
日赤医療センターの公式ページにも、2020年4月10日に拡散された文章の件について発表されました。
(※日赤医療センターの公式ページはこちらですが、今回の件でつながりにくい状態かもしれません)
【重要】当センター医師を騙る新型コロナウイルス感染症に関するチェーンメールについて
現在、当センター医師の名を騙り新型コロナウイルス感染症に関する情報がfacebook・Twitter・LINE等のSNSや「チェーンメール」で拡散されている旨のお問い合わせが多数寄せられており、本来業務に多大な支障をきたしております。
本件内容は当センターで発信したものではございません。
本件へのお問い合わせはご遠慮いただきますようお願い申し上げます。令和2年4月10日
日本赤十字社医療センター
院長日赤医療センターの公式ページより引用
都内病院勤務の看護師さのみさんのTwitterでの発信【2020年4月4日】
日赤医療センタードクターから
↑この見出しで新型コロナウイルスや医療崩壊について拡散されている件について、まとめましたこれは個人的に、1人の医療職者として発信するために書いたものです。誰かを批判するつもりはありません。
良かれと思って例のメッセージを拡散する前に、読んで下さい pic.twitter.com/5exRWEiSvD
— さのみ (@f75lgr) April 4, 2020
さのみさんのTwitterでの要点
さのみさんの人物像
-都内病院勤務の看護師さん
-友人が日赤医療センターに勤めている
拡散が広まった経緯
- 3月30日facebookにて-日赤医療センターの実在するドクターの名前で問題の文章が投稿
-この時点では病院名は伏せられ、都内総合病院となっていた
-そのうち「日赤医療センターのドクターから」「肝臓内科の医師から」と付け足される - 少し遅れてLINEにて-病院名が付け足された改変済みの文章が拡散
- 3月31日Twitterにて-facebookの記事リンクが張られた投稿がはじまる
-しかしすでに記事は削除されていたので拡散されず - 4月1日Twitterにて-改変文がコピペされたものが拡散
-改変文が画像にされたものが拡散 - 4月4日Twitterにて-さのみさんが警告文を発信
- 4月10日日赤医療センター公式にて-チェーンメールについて日赤医療センターが発信したものではないと明言
この拡散文章の問題点
-日赤医療センターの近隣の方、患者さん、家族、これから受診しようとする人が不安になり、病院に問い合わせが殺到
-この文章自体が、この病院・ドクターの発信とは断言できない
(※これに関しては4月10日に公式ホームページで日赤医療センターの発信ではないと明言されました)
-不安を煽られた人の矛先が日赤医療センターに向き、本当に多忙の中スタッフが苦しめられている
さのみさんの投稿文章(引用許可されています)
余談:新型コロナがどこか他人事な人に見せたい映画
新型コロナウイルスが流行している中、いまだに不要不急の外出を繰り返す人が絶えません。
夫の石田純一を止めれず後悔している東尾さんの気持ちを誰もあじあうことがないよう、大切な人の不要な外出はとめましょう。
コロナと似ているといわれる【映画:コンテイジョン】が無料視聴できます。
大切な人と一緒に視聴してみてはいかがでしょうか。
発信元はデマとわかったけど内容はどうなのか?
文章の発信者についてはフェイクであると分かりましたが、書かれている内容についてはどうなのか、気になりますよね。
新型コロナウイルスについては、まだ未解明なことが沢山あります。
私なりに文章の内容を調査してみましたので結果をご報告します。
息を吸って10秒我慢する
拡散された文章の中に下記内容が書かれていました。
【下記は病院の名前を偽って発信された文章の中に書かれているものです。
検証するための引用ですので、このまま信じないようにしてください】
深く息を吸って、10秒我慢する。
咳が出たり、息切れる等、すごく不便なことがなければ、肺が繊維症状になってない、即ち、感染されてないということです。
Twitterでこちらの方の投稿をみて「ハッ!」としました
深く息を吸って10秒我慢してわかるのは、騙されやすさだけですよ。どこから出てきたのかわからないような情報に惑わされませんように。 #新型コロナ調伏撲滅祈念
— うら (@u__r__a) April 10, 2020
私も色々調べましたが、10秒息をとめたらコロナに感染していないと思い込むのは非常に危険です。
実際肺が繊維状になっていたら、10秒息を止めるのも困難かもしれません。
が、しかし!
新型コロナウイルスは感染していても無症状の人もいます。
息を止めれたから自分は大丈夫と思ってはいけません。
無症状の感染者からも新型コロナは感染します。
自分がコロナである可能性も0%ではないと心にとめて、行動することが大切な人を守るためになります。
余談:愛知県警も誤情報発信でお詫び
このチェーンメールの内容を利用したのか、愛知県警も10秒息をとめる話をTwitterで発信してしまいました。
愛知県警が10日、広報課の公式ツイッターで「深く息を吸って10秒我慢し、咳や息切れがなければ、新型コロナウイルス感染の可能性は低い」などと誤った内容を投稿し、その後、謝罪していたことがわかった。
結論:10秒息を止めるはなしは真実かどうかはわかりません
この情報が正しいかどうかは分かりませんが、
無症状で新型コロナウイルスの保菌者である人もいるわけです。
息を止めれるかどうかはこの際関係ありません。
微熱が続いている、息苦しい、咳が止まらない、臭いが分からない。
そんな場合は最寄りの保健所等にある「帰国者・接触者相談センター」に相談しましょう。
15分毎に水を一口飲む
【下記は病院の名前を偽って発信された文章の中に書かれているものです。
検証するための引用ですので、このまま信じないようにしてください】
常に、口と喉を濡らして、絶対に乾燥した状態におかないこと。15分毎に水を一口飲むのが良いそうです。ウィルスが口に入ったとしても、水とか他の飲み物によって、食道から胃に入ってしまえば、胃酸によりウィルスは死んでしまう。水分をよく取らない場合、ウィルスが気管支から肺に侵入してしまうので、とても危ないのです。
うーん、もしこれが本当なら世界中からコロナウイルスなくなるのでは…?
これについても色々と調べてみました。
そこでの2018年12月のBuzzFeedNEWSの記事にたどり着きました。
国立国際医療研究センター総合感染症科長の大曲貴夫さんにインタビューされたときの回答をまとめてみました。
-ウイルスは喉からだけではなく、目や鼻など粘膜からも入る
確かに、コロナでも目を触らないように注意喚起されています。
目や鼻からも入るなら、たとえ水分をとって喉のウイルスを流せるのだとしても「絶対にコロナにかからない」とは言えません。
-あまり飲みすぎると体内の塩分濃度が低くなる低ナトリウム血症になるので注意してほしい
低ナトリウム血症とは、水分を過剰摂取で、頭痛や嘔吐、食欲不振がおこる病気です。
ひどくなると昏睡や痙攣(けいれん)等が起きてしまいます。
心配になりすぎて、もっと短い間隔でゴクゴク水分をとるのはやめましょう。
-15分毎にきちんと水を飲めるひとは、他の生活習慣もしっかりしているから病気になりにくいのではないか
なるほど!15分毎に水分をとるのって確かに大変ですよね。
そんなキッチリしている人は、夜更かしをしなかったり、手洗いうがいをしっかり実践していそうです。
結論:水で流すのが良いのかどうかは分からないが、飲みすぎは注意すること
-飲んでウイルスを流すのが良いのか悪いのか研究結果も見当たらないからわからない
結局のところ、水分をとってウイルスを流せるのか、流すのがいいのかよくわかりませんでした。
ただ、ウイルスは「喉からのみ感染するのではない」ため15分毎に水分をとることが正解だったとしてもぶちゃけ関係ありません。
手洗いうがいをこまめにして、3密を避け、不要不急の外出をしないことが大事です。
まとめ:情報に振り回されないように
日本だけではなく世界中が新型コロナの影響をうけています。
大切な人や自分の命が危険にさらされ、不安になる気持ちもよくわかります。
私の家には、大好きなおじいちゃんが一緒に暮らしています。
2年前に米寿のお祝いに家族旅行をしました。
今年の夏に家をリフォームして、年を取ったじいちゃんも住みやすいように作りかえます。
これから楽しみなことが沢山あります。
そこで万が一私がコロナウイルスを持って帰ってきたらどうでしょうか。
もし大好きなおじいちゃんがそれで亡くなったら、私は一生泣いてしまうし、一生悔しむと思います。
大切な人を思うからこそ、情報に振り回されて、不安になるのだと思います。
でも、「誰でも簡単に情報を発信できる世の中」だからこそ、何もかも簡単に信じず、疑問に思ったらたくさん調べてほしいです。
ひとつの発信を鵜呑みにするのではなくて。
実際わたしもラインで回ってきたときに、10秒息をとめました。
でもそこで「あれ?これ本当なのか?本当に病院のドクターからなのか?」
そこで検索してみると、すぐにさのみさんのTwitterにたどり着きました。
検索すればほんの数分で信憑性が低いと分かったんです。
間違いは誰にでもありますし、悪気があって拡散しているわけではないでしょう。
それでも何もかも拡散するのではなく、見極めて正しい情報を発信をしていきたいですね。